Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
ウニデスちょうりゅうのかなた
橘外男ワンダーランド 幻想・伝奇小説篇
橘 外男
Lesen Sie 橘外男ワンダーランド 幻想・伝奇小説篇 (ウニデスちょうりゅうのかなた) von 橘 外男 (たちばなそとお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 247.361 Zeichen · 483 Bildschirme
と外務次官の令嬢も、同じような淑やかさで、夫人の向い側に席を占める。
「さあ、どうぞ!」
とにこやかに会釈を返して、窓枠に頬杖を突きながら夫人は身体を斜めに、移り行く窓外の景色に見惚れていた。美しさといい上品さ鷹揚さ、どこから見てもまずは寸分の隙もない上流貴婦人である。殊に際立って眼が婀娜っぽい! ハハアこいつだな、頸飾りを調べに偽フィリップ殿下のお供をして行った女は! そして公爵未亡人から、殿下の寵姫と思われている女は! と頷く。問題のボール函包みは無造作に網棚に抛り上げられてある。旅行鞄の一つは足許に、もう一つの小型の方は、大切そうに脇に引きつけられてある。
誰が見ても、その引きつけられた旅行鞄の方に大切なものが詰まってると思うだろう。なんとか近付きになりたいが、そう無暗に話しかけるわけにもならぬ。嬢も、自分の旅行鞄に片脚を載せて、雑誌を出して読み出した。雑誌の陰から眼を走らせると、何か思案顔に夫人はサラサラと、電報用紙に万年筆を走らせている。書き終ると車掌にでも頼むのであろう、扉をあけて出て行った。
と、やがて戻って来ると、用が済んで吻としたといわんばかりの面持で膝掛けを引き寄せながら途端に彼女と眼が合った。