Japanische Klassiker mit Furigana
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ウニデスちょうりゅうのかなた
橘外男ワンダーランド 幻想・伝奇小説篇
橘 外男
Lesen Sie 橘外男ワンダーランド 幻想・伝奇小説篇 (ウニデスちょうりゅうのかなた) von 橘 外男 (たちばなそとお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 247.361 Zeichen · 483 Bildschirme
こうしている間にも、密輸出がどんどん行われている、この始末を一体、誰がつけるのだ? 理不尽な理不尽な! ようし私は税関長に上申して、行政裁判庁に提訴する。いかに国家警察局とても、最大の侮辱だ!」
「そんなに、昂奮なさることはないでしょう。お断りしておきますが、我々はあなたを、逮捕したのではありません」
と次長が宥める。
「緊急已むを得ぬ事情で、この婦人の取調べのため、あなたのお持ち去りになった、そのボール函の内容を見せていただきたくて、おいでを願ったのです」
「だからそれならば、私はボール函包みの内容が禁制品だから、一応税関で預ると、言ったではないか! この婦人にも次駅で降りて、税関へ同行すると、申し渡してあるではないか。それをあなた方はまるで私が好き勝手で、この婦人と諜し合わせてでもいるかのような、口吻ではないか」
「ラルフ! かまわないから、そのボール函を調べてごらん!」
と堪りかねて嬢は毒蛇に言いつけた。言いつけておいて、税関吏の前に突っ立った。
「この婦人、この婦人と、あなたはいかにも見知らぬ人のように、仰有いますけれど、この婦人夫婦の手であなたが、税関へお勤めになった場合には、まんざらあなたがこの御婦人と、赤の他人だとはわたくし共思いませんのよ。