Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
ウニデスちょうりゅうのかなた
橘外男ワンダーランド 幻想・伝奇小説篇
橘 外男
Lesen Sie 橘外男ワンダーランド 幻想・伝奇小説篇 (ウニデスちょうりゅうのかなた) von 橘 外男 (たちばなそとお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 247.361 Zeichen · 483 Bildschirme
もちろん嬢には、自分の直観を人々の前に誇りたい気持なぞがあるわけではない。いわんや探偵としての腕なぞを! が、伯爵一家と結託して、税関の一時押収という探偵の眼を晦ますに絶好な抜け裏を通って、盗品の国外搬出を助けようとした税関吏モーゲンス・ノルビーに対する通謀の証拠力が、これだけではまことに薄弱である。ついでにそれを明白に証拠立てておかなければならぬ。
「次長様、駅の構内を出ますと、その辺に自動車が一台、用意してあるはずです。どうぞそこまで、この人たちを曳いて行って下さいまし」
嬢の推察どおり、そこの小暗い木の陰に、ルノーの新車が一台、人待ち顔に止っている。手錠を嵌められた肥ったノルビーと、伯爵夫人と、それを囲んだ探偵たち、次長や毒蛇の円陣作った前で、運転台で欠伸を噛み殺していた実直そうな運転手と、嬢との問答が始まってくる。
「運転手さん、あなたはヴェステルバーゲン税関の車に、間違いありません?」
「そ、そうですよ、お嬢さん!」
「あなたは、何にも知らないのだから、少しも心配することはないの。ただ、わたしのお聞きすることにありのまま、正直に答えてさえ下されば、いいのよ! 少し事情があって、ここにおいでの方は、国家警察局の次長さん……そして探偵さんたち。