Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
ウニデスちょうりゅうのかなた
橘外男ワンダーランド 幻想・伝奇小説篇
橘 外男
Lesen Sie 橘外男ワンダーランド 幻想・伝奇小説篇 (ウニデスちょうりゅうのかなた) von 橘 外男 (たちばなそとお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 247.361 Zeichen · 483 Bildschirme
下賤な下劣な、三文の値打ちもない男! 人間の皮を被った犬畜生にも劣る男! 先王の血を引きながら自分のみが王族たり得なかったことが、この男にとっては寝ても醒めても忘れ得ぬ無念さ、残念さ、嫉視妬ましさ! すべての悪の根源をなす修羅の妄執であったろう。
「ええ、こんな人間は、死んでしまうのが当り前だわ、天罰だわ、天罰覿面だわ、自業自得だわ!」
じだんだ踏まんばかりの気持で突っ立っていたが、後から後からと熱いものが込み上げてくる。我慢にも、もうじっとしてはいられない。
「さ、これをしまっといて……しまっといて」
と殿下の手紙を投げ棄てると同時に、駆け出した。
「姐御、どこへ行く? 今お前さんが行っちまっちゃ、いけねえや!」
と毒蛇が追い駆けてくる。
「わたしの車は、どこにあるの、どこに?」
「車なら、そこに私のがある。お使いなさい、お使いなさい」と次長が言ってくれる。
「ちょっと貸して……ちょっと貸して……」
胸が痞えて、この人とも口が利けぬ。飛び乗るとスグにアクセルを踏んで、セーゲルフォス丘に向って走らせた。もちろん、フルステンボルグ城の壮麗なメルビイ宮を棄てて、今では丘近くの普通民家に住んでいられるフィリップ殿下に、お眼にかかるつもりであった。