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Japanische Klassiker mit Furigana

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ウニデスちょうりゅうのかなた

橘外男ワンダーランド 幻想・伝奇小説篇

橘 外男

Lesen Sie 橘外男ワンダーランド 幻想・伝奇小説篇 (ウニデスちょうりゅうのかなた) von 橘 外男 (たちばなそとお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 247.361 Zeichen · 483 Bildschirme

Aozora Bunko

真犯人たることを御自白の上、伯爵様は唯今、自殺遊ばされました」

「…………」

殿下の身体が烈しく揺れたように見受けられる。が、姿も変えずそのまま立っていられる。

「そして伯爵夫人は、一昨日出奔の御途中でフレンスブルグ駅で国家警察局員の逮捕を、お受けになり、首都へ還送になりました。仏蘭西人でいらっしゃいますので、身柄はやがて仏蘭西政府へ、引き渡されるようなお話に、承っております」

「…………」

殿下が、かすかに頷かれた。

「被害品も、全部、出てまいりました。すべて極秘に取り計らうよう、首相様からお言い付けが出ております。これだけのことを、お耳へお入れしたくて、お取り次ぎを待たずに参上いたしました……どうぞ失礼を、お許し下さいませ」

心中の深い苦悶が透き徹らんがばかり蒼褪めた顔にありありと刻まれて、しかし殿下は身揺ぎもせず、ただ一度二度深く頷かれた。そして、初めて恰好のいい頭を傾げて、じっと暖炉の火をみつめていられたが、書きかけの紙を火の中へ投じられた。

「殿下! 不躾もう一度、お許し下さいませ」

とその書きつけを、彼女は大急ぎで拾い上げた。火はまだ、紙についていない。