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Japanische Klassiker mit Furigana

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ウニデスちょうりゅうのかなた

橘外男ワンダーランド 幻想・伝奇小説篇

橘 外男

Lesen Sie 橘外男ワンダーランド 幻想・伝奇小説篇 (ウニデスちょうりゅうのかなた) von 橘 外男 (たちばなそとお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 247.361 Zeichen · 483 Bildschirme

Aozora Bunko

血の涙が零れましても何を一つ酬いることもできぬ身の上です。私たちはただ、王女殿下や太子殿下の安否を気遣って王宮へ駆け付けたに過ぎません。英国へ何の異心を企図していたわけでもないのです。しかもこの無抵抗な私たちさえも、こうして集まって来さえすれば暴動の前提として、理も非もなく英国兵は馬蹄に掛けて蹂躙ってしまうのです。

「これが人道を叫び紳士を標榜する英国が、印度で執る常套手段です。英国人にとっては印度人の命ほど安いものはありますまい」

「しかし英国の派遣している駐在官を射殺されては、たとえ太子であっても大問題が起るでしょう? それで太子には何の咎めも掛からなかったのですか?」と私は聞いてみた。

「もちろん問題になりました。しかしもしナリン太子殿下に何らかの危害を加えれば、今度こそ武器はなくてもヴィルプール全国に大暴動が突発することを英国側でも気付いていたのでしょう。もともと駐在官のジャルディン卿がよくないのですから、一時は憲兵が来、高等法院長が来て険悪な状態を示しましたが、到頭有耶無耶のうちにこの事件は葬られてしまいました。判然したことはわかりませんが、このことのために国王陛下は、わざわざ首府まで印度総督を御訪問になって、ジャルディン卿遺族の弔慰その他に大分の国帑をお費いになったというもっぱらの評判でした。