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Japanische Klassiker mit Furigana

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ウニデスちょうりゅうのかなた

橘外男ワンダーランド 幻想・伝奇小説篇

橘 外男

Lesen Sie 橘外男ワンダーランド 幻想・伝奇小説篇 (ウニデスちょうりゅうのかなた) von 橘 外男 (たちばなそとお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 247.361 Zeichen · 483 Bildschirme

Aozora Bunko

「一年分の敷金を置いて一年家を借りるのに保証人も何も要らんじゃろが! 三池三矢なぞというところは金があるんじゃから何もそういう余計な手数を掛けさせいでもよかりそうなもんじゃが! 面倒なもんじゃのう」と浮世の五月蠅さには飽き飽きした顔をした。

「おう、よかろとも! 儂でよかったらお役に立てさせてもらおう。そんなことで皆さんの御便宜が得られるならお易い御用じゃ!」と言下に応じてくれた。菊の鉢に肥料をやるよりはまだ造作ない返事であった。今日はこれから出掛けて行ってももう会社は退けているじゃろから、明日一緒に行って上げようということになった。

「ああいけん! いけん! 文士なんてものは橘さん駄目じゃよ」と老市長は薬罐頭を振り立てた。

「家主なんてものは気の小さいもんでな、文士じゃ新聞記者じゃ弁護士じゃと聞いたら一遍でお断りじゃよ。なぜあんたは自分の勤めの名刺を出しなさらん。儂には物を書くことなぞ永い間隠しとったくせに!」とこの菊専門の市長は呵々と大笑したが、私が訳し終ると太子をはじめ三人は改めて感謝の瞳を昔知事や市長だったらしくもないこの妙な装りをした大入道の老人に注いでいたが、なるほど印度あたりで大威張りをしている英国あたりの見識張った知事や市長を見慣れている眼には定めてこの十徳姿は奇異なものに映るだろうとは思った