Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
ウニデスちょうりゅうのかなた
橘外男ワンダーランド 幻想・伝奇小説篇
橘 外男
Lesen Sie 橘外男ワンダーランド 幻想・伝奇小説篇 (ウニデスちょうりゅうのかなた) von 橘 外男 (たちばなそとお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 247.361 Zeichen · 483 Bildschirme
ひどく顔色が蒼褪めてよほど何事かを思い悩んでいられる風であったが、別段何にも仰言せられずただ言葉尠に書記官と一緒に大使のところへ行って来るが一時間ばかりもしたら用談が済むからその時分に車を迎えに寄越すようにと言い残されたまま、グレーヴス書記官と同列で出て行ってしまわれた。言い付けられたとおりに、一時間ばかりも経ってジャヴェリが迎えに行くと、すでに本館の事務は退けた後と見えて広い構内はひっそりして木立ちを透してあちらこちらの官舎からピアノの音や人々の談笑の声が洩れているのみであったが、大使官邸では太子はすでにお帰りになってしまったという返事であった。そんな莫迦な話はない、太子殿下は自分に迎えに来るように命ぜられたと頑張ると、いずれにせよこちらにはもういられないし大使閣下も帝国ホテルの仏蘭西大使の晩餐会へ出席されてお留守中であるから、それならグレーヴス書記官官舎の方へ廻ってみてくれということであった。そちらへ廻ってみると、グレーヴス書記官は参事官官舎にいられるから電話で聞き合せて上げるという返事であったが、やがて太子はやはり二、三十分ばかり前にお帰りになったという書記官の言葉を取り次いでくれた。