Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

ja-reading.com

Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.

ウニデスちょうりゅうのかなた

橘外男ワンダーランド 幻想・伝奇小説篇

橘 外男

Lesen Sie 橘外男ワンダーランド 幻想・伝奇小説篇 (ウニデスちょうりゅうのかなた) von 橘 外男 (たちばなそとお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 247.361 Zeichen · 483 Bildschirme

Aozora Bunko

を形成し、世界の海洋気象上にさまざまの奇怪なる変異を醸しつつ、ついにその本流の窮まるところを知らずといわれている世界最深最大の大潮流なのであった。その最も戦かれている正体不明の魔海の中へ、しかも最難個所の東経百五度以東において捲き込まれてしまったのであった。

さすがに一同呀っ! と驚駭の叫びを発したが、ピッケルン島南の遭遇以来、死生の間に打ちのめさるることすでに九十六時間! 身心気力ともに萎え疲れ、感覚は麻痺し、醒めていることがうつつのごとく、うつつが醒めている我々にとっては今更この潮流を恐怖する実感なぞは微塵も湧き起らなかった。恐怖してみたところで、この損傷艦の身をもってどこへ逃れ得べきであったろう。ウニデスに捲かれようが捲かれまいが、早晩やがては海の藻屑と消え果てて、南海に集う鱶の餌食となり終ることは、わかり切っている事実であった。

一同ウニデスと聞いて、人並に驚きの叫びは挙げてみたものの、今更覚悟を新たにするほどの元気もなく、憔悴切った髭面を並べて、船室に頬杖突きながら、舷窓越しに逆巻く潮流の壮観さに見惚れていたのであったが、この潮流の中へ捲き込まれてみて初めて、世界の航海者が、いかに古来からこの潮流を恐怖していたかが呑み込めてきたのであった。