Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

ja-reading.com

Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.

ウニデスちょうりゅうのかなた

橘外男ワンダーランド 幻想・伝奇小説篇

橘 外男

Lesen Sie 橘外男ワンダーランド 幻想・伝奇小説篇 (ウニデスちょうりゅうのかなた) von 橘 外男 (たちばなそとお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 247.361 Zeichen · 483 Bildschirme

Aozora Bunko

権謀外交の本家本元であり、奸黠老獪外交の本家本元ではありながらも、さすがに本館奥まったこの応接間近くは森閑として咳の音一つ聞えず、表を通る廊下の跫音や、よく日本の役所に見るような人の往来の慌しげな気配なぞは少しも動いてはいなかった。入り口から引き続いて長い廊下一面に敷き詰めた絨緞にも、どっしりとした樫の椅子卓子やあるいは、重く垂れた帷、そこから見えるよく手入れのゆき届いた美しい庭の芝生や木立ち等、そのどこにも、大英老帝国の燻んだ渋さなり落ち着きなりが漂っているように思われた。が、しかし、その落ち着きには似ず、思い做しかこの部屋の中だけはそこらじゅうに声を潜めた眼が光って周囲から覗かれているよう気持がした。

そしてそう感じたことは必ずしも私だけの気のせいではなかったとみえて、

「森閑しているようですけれどどこに耳が付いていないにも限りません。用心しましょう」とシャアが私の耳許で囁いた。その途端に、コトリコトリと廊下に、跫音がして、闥が静かに開かれた。たちまちシャアは椅子を離れて突っ立ち上ってそこに姿勢を正した。太子が入って来られたのであった。立ち上った私の前につかつかと進んで来られたが相変らず落ち着き払った、しかも満面に懐かしそうな微笑を湛えて、