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Japanische Klassiker mit Furigana

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ウニデスちょうりゅうのかなた

橘外男ワンダーランド 幻想・伝奇小説篇

橘 外男

Lesen Sie 橘外男ワンダーランド 幻想・伝奇小説篇 (ウニデスちょうりゅうのかなた) von 橘 外男 (たちばなそとお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 247.361 Zeichen · 483 Bildschirme

Aozora Bunko

初めてこの接待を受けた時は、我々も肝を潰して驚いた。しかし今では、少しも驚かぬ。あまりにもこの都会の貴族たちの生活にも慣れ親しんだからであろう。

これも後になって知ったことであったが、この都会の人たちは、これらの湯のことを――薔薇色をした微温湯の噴泉をテピダリウムと呼び、穹窿形の入り口の中に菫と蕃紅花の油湯が用意してあったそれを、エレオテジウムと呼んでいた。そして最後に身を乾かす納涼室のことを、ラコニクムと言っていた。

そしておよそこれらの微温湯と油湯と納涼室とを自分の邸に設備して入浴を楽しまぬ貴族とては、この都会にただの一人もいなかった。一日の大半を侍女や奴隷に侍かれて、入浴に暮し、食事に贅を凝らして、友人知己とともに会食を楽しむことが、ほとんどこの都会の貴族の全生活であったと言ってもおそらく過言ではなかったであろう。みんなそれぞれに百人二百人くらいの侍女や奴隷を擁して、何のなすべき仕事とてもなく、その日その日を楽しく遊び暮している貴族たちは、親しい客人が来れば、これを誘うて共に歓語を交わしつつ、微温湯を楽しみ、油湯を楽しみ、納涼室を楽しんでいるのであった。