Japanische Klassiker mit Furigana
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じろうものがたり
次郎物語
下村 湖人
Lesen Sie 次郎物語 (じろうものがたり) von 下村 湖人 (しもむらこじん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 146.773 Zeichen · 294 Bildschirme
」
「でも、恭ちゃんも、僕に負けたって言ったんじゃないか。」
「坊ちゃんは、どうしてそんなにお人よしにおなりでしょうね。恭さんだって、やっぱり坊ちゃんをかわいそうだと思って、取りなして下すったんですわ。」
「だって、乳母やも、あの時は喜んでいたんじゃないか。」
「喜んでなんかいませんわ。あたし、癪で癪でならないでいた時に、お父さんが、ああ言って、お祖母さんやお母さんの鼻をあかして下すったのが、ありがたかっただけなんですわ。……坊ちゃんは、何てじれったいお気持でしょうね。」
お浜は、そう言ってため息をついた。
次郎は、自分とお浜との気持のへだたりが、あまりにも大きいのに驚いた。
(いつの間に、二人はこんなにちがって来たのだろう。以前は、乳母やの気持と自分の気持とがべつべつであったことなど、一度もなかったのに。)
彼はそう思わないではおれなかった。そして、はっきりとではないが、母が亡くなった頃のこと、入学試験にしくじったあとのこと、いよいよ中学にはいってからのこと、と、つぎつぎに考えて来て、やはりこの二年ばかりの間に、自分が次第に伸びて来たのだ、という感じを深くした。