Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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ぶそうせるしがい

武装せる市街

黒島 伝治

Lesen Sie 武装せる市街 (ぶそうせるしがい) von 黒島 伝治 (くろしまでんじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 115.959 Zeichen · 234 Bildschirme

Aozora Bunko

「君は、どうも、日本人ではないらしいぞ。」歩哨は、剣をさしつけた。「あんまり支那語がうますぎるじゃないか。」

「私は、日本人でしゅよ。」

「そうかね?」垢まぶれの歩哨は驚いた。

「本当に、日本人でしゅよ。」

その男は、下の前歯が、すっかり抜け落ちていた。

「そのチャンコロは何だい?」

「こいちゅは、そのう、今朝、工場をぬけだしゅた、不届けな工人でしゅ、今、しょいつを………」歯がないために、ふわ/\して、発音がうまく出なかった。二挺の剣が、胸さきで光っている。小山は汗を拭いた。それがかえって歩哨の疑念を深めるのだった。軍隊というものは、非常に有りがたいものである。が、一ツ間違えば頗る恐怖すべきものである。小山は、慌てゝ、自分が燐寸工場の職長であること、逃亡を企てた工人を捕まえに行ったこと、自分の工場にも兵タイを泊めてやっていることなどを説明した。しどろ、もどろだった。

一方の、しッかりした顔つきの歩哨は、それでは、小哨長のところまで行って呉れ、と通りのさきの狭ッ苦るしい暗い支那家屋につれて行った。歩哨の疑念は晴れぬらしい。カンテラの光に、兵士たちが蠢めいていた。