Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

ja-reading.com

Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.

ぶそうせるしがい

武装せる市街

黒島 伝治

Lesen Sie 武装せる市街 (ぶそうせるしがい) von 黒島 伝治 (くろしまでんじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 115.959 Zeichen · 234 Bildschirme

Aozora Bunko

「軍曹殿! こいつ南軍の密偵であるかもしれません。顔つきと、言葉が随分あやしいんであります。」

面倒なことになってしまった、小山は、あれだけ工場で軍隊を世話してやっていながら……と、何か矛盾するようなものを感じた。

「いよう、どうしたんです?」聞き覚えの声が暗い隅の方からだしぬけに呼びかけた。

「あゝ、山崎(しゃきと出た)さん!」小山は、すぐ密偵の山崎だと悟った。助かった!

彼は、歩哨への面あてに、特に、山崎と親しいことを見せつけようとして、蠢めく兵士達を横柄にまたいで握手した。

黒い支那服の山崎は、同様な支那服の中津と並んで、片隅の、眠むげな軍曹の前の長い腰掛に腰かけていた。

「どうしたんです?」

「ここの兵タイら、これゃ、わッしゅの工場で厄介を見とる、あの兵タイじゃないんでしゅね。」如何にも兵士など、わしの風しもに立つべき奴等なんだ! と云わぬばかりの語調で小山は口を切った。彼は、朝、早くから、逃亡した工人を追っかけて、汚穢物乾燥場の、汚穢の乾物を積重ねてある蓆俵のかげに、すなんでいたのを掴まえてきた話をした。

「あれでしゅよ。あれでしゅよ。」

入口で、眼をウロ/\やりながら、慄えている、よごれて蒼い支那人を指さした。