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Japanische Klassiker mit Furigana

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きゅうこんさんじゅうし

求婚三銃士

佐々木 邦

Lesen Sie 求婚三銃士 (きゅうこんさんじゅうし) von 佐々木 邦 (ささきくに) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 162.326 Zeichen · 330 Bildschirme

Aozora Bunko

「然うらしいんだ」

「君は立ち後れか?」

「一寸そんな形になってしまった。忌々しくて仕方がない」

「道理で御機嫌が悪いと思った。しかし先を越されたって、そのまゝ引っ込むんじゃあるまい?」

「此方も直ぐに手を廻す」

「驚いたね、これは。予感どころか、霊感だった」

と瀬戸君は我ながら明察に感じ入ったように首を傾げた。しかし大したことはない。先頃まで近所に下宿していたから、この問題についても二人の関係を知っているのだった。

「何んなものだろうね? 実は今しがたこゝの奥さんから話を聞いて、周章狼狽したところだ。丁度そこへ君がやって来たんだよ」

「吉川君が申込んでいることは確実かい?」

「確実らしい。申込んで置いて知らん顔をしているんだから癪に障る」

「しかし報告する責任もないだろう」

「やる時には正々堂々とやろうって約束だった。それも自分が言ったんだぜ。あの頃からの予定の行動だったんだ」

「こゝの奥さんは何と言っているんだい?」

「詳しい話を聞く暇がなかったんだよ。君を待たせちゃ気の毒だと思って、梯子段を蹴飛ばす始末だったから」

「ふうむ」

「僕は就職の方が後れたし、五十五円ばかりじゃ、未だそんなことを考える資格がないと思って、つい遠慮していたものだから、悉皆出し抜かれてしまったんだよ」