Japanische Klassiker mit Furigana
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わたらせがわ
渡良瀬川
大鹿 卓
Lesen Sie 渡良瀬川 (わたらせがわ) von 大鹿 卓 (おおしかたく) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 280.528 Zeichen · 557 Bildschirme
貴様が金を取らぬから他人も取ることができない。人の迷惑をかえりみぬ懲だ。そういって散々に撲られたそうです」
ようやく胸の裡におさえかけた憤りがまたせきあげてきた。「偶※(二の字点、1-2-22)正直な者がおれば、それを保護しなければならぬ立場のものが、暴力に訴えるとは言語道断なはなしだ。こんな奴は日本にとって獅子身中の虫だ。虫けらだ。こんな小役人の悪事を改めさせることができないようでは、日本は戦争に勝っても腐敗堕落する一方だ。なんだ、人の迷惑をかえりみぬとはどっちのいうことだ。そういう奴は、人相をそういって早速駐在所へ訴えたがいい。泣き寝入にしておいてはいかぬ」
正造は袴の膝で握り拳をふるわせながら、猛りたって怒号しつづけた。
「暗い晩で、顔はわからなかったそうですが、隣りの者が巡査を呼びにいって、巡査が立会って傷の模様はよく調べて行ったそうです」
「それならば、警察でどう処置をつけてくれるか、ウヤムヤにならぬようによく監視していなければならぬ。あんた方も他所事と思わず、兄弟のことだと思って助けてやって下さい。そうして、そんな乱暴が跡をたたぬようなら、事情を細かく書面に認めて県庁へ訴え出るようにしなさい。