Japanische Klassiker mit Furigana
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わたらせがわ
渡良瀬川
大鹿 卓
Lesen Sie 渡良瀬川 (わたらせがわ) von 大鹿 卓 (おおしかたく) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 280.528 Zeichen · 557 Bildschirme
「吾輩は衆議院で論じたところを今またここに論じているにすぎない。どこに注意の必要がある。議会の演説には速記録というものがあるから、よく目玉を開けて読んで来い」
一言もなく黙りこんだ警部を尻目にかけて、蔵原は、ふたたび滔々と弁舌をつづけた。
この日の聴衆は三千余人に対し、前回と同様に一人宛二銭の傍聴料を取ったら、六十余円の収入があった。経費を差引いて十二円余が残ったが、これは前回の剰余金二十四円余と合せて、在監者一同へ差入れをする費用に当てた。なおその一部で薩摩芋を買って、被害民の極貧者へ配った。
在監者に対する差入れや通信の事務は、木塚、三田等の有志が前橋の油屋旅館につめきって尽力することとなり、弁護士依頼のことは主として、山田友次郎、荒井友七郎、須藤与惣治の三名がその衝にあたって奔走した。
こうして善後処置もやや手順がついた。一旦沮喪して火の消えたようであった沿岸一帯の気勢も、ようやく終熄の一歩手前でとり止めることができた。被告たちの不在中も、ともかくも運動が続けられる見込はついた。しかし正造は、それをもってこと足れりとしなかった。猶ひきつづき青年たちを動員して、沿岸の村々に巡回演説をつづけた。