Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
わたらせがわ
渡良瀬川
大鹿 卓
Lesen Sie 渡良瀬川 (わたらせがわ) von 大鹿 卓 (おおしかたく) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 280.528 Zeichen · 557 Bildschirme
日によっては夏の温気が、身の廻りにかんじられることもあった。風の加減で、若葉や草の葉のにおいが運ばれてくることもあった。監房の生活にも四カ月が経ったのである。永島はこの頃、実直そうな一人の看守と、檻のへだてを越えた言葉を交すようになった。その看守もまた、はじめ永島が日課のように神や基督のことばかり書き送るのを、不審に思った。役目で手紙の下検分をしながらも、前の看守のように世迷事とも思わず面倒がりもしなかった。永島が信仰に入ったよろこびを独り胸に秘めておくことができずに獄中から獄外へ呼びかけるのだと知って、それを奇篤なことと思った。その結果、永島の起居を特別の目で注意するようになった。彼は役目柄から、囚人の悲歎や懊悩のさまを見ることには馴らされていたが、永島のように生き生きと日を暮らすのを見るのは、なにか意外だった。彼はついに独房の前に佇んで声をかけた。
「この間から不思議に思っているのだが、お前には、監獄の不自由がすこしも苦にならないようだな。お前の様子を見ていると、なんだか自分たちの方が寧ろ生活の悩みに負けているような気がする」
「そんな風に見えますか」