Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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ごくちゅうへのてがみ

獄中への手紙

宮本 百合子

Lesen Sie 獄中への手紙 (ごくちゅうへのてがみ) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 289.044 Zeichen · 575 Bildschirme

Aozora Bunko

この暮は、島田のおせいぼなんかみんなすませたので気が大分楽です。あとは例のふたところと、眼のおいしゃだけよ。多賀ちゃんが世話になっていたお医者様二人にもちゃんとお礼いたしましたし。

あすこの家は時代に一番わるくさらされて居りますね。だから多賀ちゃんにしろ、ぐじぐじした生活態度にすぐなって。

二十五円で本屋をやる人に店の右側の一区切りを貸す話、きっとかえりぎわにあったのでしょう。履歴書出さないでいいのかと云ってもいいと云っていた、何故かしらと思いましたが。

結果からちっとも生活を真に向上させる方向を示さないから、やっぱり総体の私に与える印象では、何だか張り合いぬけのした、なあーんだという感じで、よくありませんね。手紙にでも、こうして私の月給だけ入ると思うと勤めも辛いと思う気が出て、と正直に云ってよこすなら助るけれど、只「つとめもどうしようかと考えています」っきりでね。私は勤めれば、と思って着物だって身のまわりのものだって随分無理してもたせてやっているのに。だから、ひとを利用すると云われるのね。島田のおかあさんがおおこりになるところもわかります。一人の娘が境遇から与えられてゆくよさ、わるさ、何と複雑でしょう。