Japanische Klassiker mit Furigana
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ごくちゅうへのてがみ
獄中への手紙
宮本 百合子
Lesen Sie 獄中への手紙 (ごくちゅうへのてがみ) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 230.599 Zeichen · 458 Bildschirme
気質はいいのだから何とかまとまればいいと思います。お母さんのお手紙にあった人との話のことね、事実はあったのだろうと思われます、今もう自分で何とか考えきめたのねきっと。顔のきれいな人は得ですね、というような考えかたもそのままでしているらしいわ。何だかああいう女のひと面白い。変にまとまらない輪廓で、人柄はわるくなくて、案外堅気で、一寸そうでもないようだったりして。
きょう、大森の奥さん来て、かえりによったと云って涙こぼしていました。やっぱり一緒にやってゆく気がしなくなっているのね。時間とかその他の原因ではなくて、その人との合いかたが保てなくなって来たのね。まるでつっぱねる物云いで、と涙こぼしていて気の毒に感じました。たった一本の棒のようで結びかけてゆくいとぐちもないようなのらしいのね。勿論私は話されることをきいているだけですし、何の差出も出来ることではありませんが。奥さんは割合普通の気質のひとなのね。ふりかえってもくれない人のあとから自分だけついてゆく、ゆかねばならない、そういうのがやり切れなくなっているのよ。ふりかえりなんかすることはいらない、という素振りのひとにしろ、心は勿論かかわっているのですが、それをまともに生活として表現もしないし生かさないのね。