Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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ごくちゅうへのてがみ

獄中への手紙

宮本 百合子

Lesen Sie 獄中への手紙 (ごくちゅうへのてがみ) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 230.599 Zeichen · 458 Bildschirme

Aozora Bunko

玉子と云えば、私よく思い出します、いつか夜仕事していて、おなかがすいて玉子を茹でたらいそいでいて何か工合がわるくて、カラをむいたらカラにくっついてまるであばたのゆで玉子が出来たでしょう。そしたらあなたは、いかにも妙な顔をして、おなかが空いていたのにあがらなかったわね。あれをよく思い出します。あなたは不自然なような、変なことやものが、ひとりでにおきらいね。感覚的におきらいね。〔中略〕

封緘のことはもう大丈夫よ。あっちこっちから集めることが出来て、この次不足しても相当間に合います。光井・島田からさえ送って下すったから。大尽よ。どうぞ御安心下さい。

きのう『都』にヴァージニア・ウルフが自殺したと出て居りました。[自注5]何だか、分る気がします。彼女の心理主義も、この欧州の混乱に対する気持も。私はウルフが『三ギニー』という本をかいて、今日の歴史の様相と女性の無力さに抗議したというのをよんだとき、ウルフは彼女の心理主義(ジョイスなんかと同じな)からどう脱出するだろうか、それしか彼女の道はないと思っていたの。そしたら死にました。しかも河へ身をなげて。――六十何歳かで。