Japanische Klassiker mit Furigana
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いなかきょうし
田舎教師 他一編
田山 花袋
Lesen Sie 田舎教師 他一編 (いなかきょうし) von 田山 花袋 (たやまかたい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 156.097 Zeichen · 312 Bildschirme
晴。
久しく晴れたる空は夜に入りて雨となりぬ。裏の林に、秋雨の木の葉うつ音しづか。故郷の夢見る。
五日。土曜日。
雨をつきて行田に帰る。
六日。
一日を楽しき家庭に暮らす。小畑と小島に手紙出す。夜、細雨静かなり。
七日。
朝早く行く。稲、黄いろく色づき、野の朝の雨斜なり。夜は学校にとまる。
八日。
雨はげしく井戸端の柳の糸乱る。今宵も学校にとまる。
九日。
早く帰る。秋雨やうやく晴れて、夕方の雲風に動くこと早く夕日金色の色弱し。木犀の衰へたる香かすかに匂ふ。夜、新聞を見、行田への荷物包む。星かくれて、銀杏の実落つること繁し。栗の林に野分たちて、庫裡の奥庭に一葉ちるもさびしく、風の音にコホロギの声寒し。
十日。
朝、行田に蚊帳を送り、夕方着物を受け取る。小畑より久しぶりにて同情の手紙を得たり。曰く「この秋の君の心! 思へばありしことども思ひ偲ばる。『去年冬の、今年の春!』といふ君が言葉にも千万無量の感湧き出でて、心は遠く成願寺のあたり」云々。夜、星清くすんで南に低く飛ぶもの二つ、小畑に返事を書く。曰く、「愚痴はもうやめた。言ふまい、語るまい、一人にて泣き、一人にてもだえん。