Japanische Klassiker mit Furigana
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いなかきょうし
田舎教師 他一編
田山 花袋
Lesen Sie 田舎教師 他一編 (いなかきょうし) von 田山 花袋 (たやまかたい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 156.097 Zeichen · 312 Bildschirme
青縞を織る音がところどころに聞こえる。チャンカラチャンカラと忙しそうな調子がたえず響いて来る。時にはあたりにそれらしい人家も見えないのに、どこで織ってるのだろうと思わせることもある。唄が若々しい調子で聞こえて来ることもある。
発戸河岸のほうにわかれる路の角には、ここらで評判だという饂飩屋があった。朝から大釜には湯がたぎって、主らしい男が、大きなのべ板にうどん粉をなすって、せっせと玉を伸ばしていた。赤い襷をかけた若い女中が馴染らしい百姓と笑って話をしていた。
路の曲がったところに、古い石が立ててある。維新前からある境界石で、「これより羽生領」としてある。
ひょろ長い榛の片側並木が田圃の間に一しきり長く続く。それに沿って細い川が流れて萌え出した水草のかげを小魚がちょろちょろ泳いでいる。羽生から大越に通う乗合馬車が泥濘を飛ばして通って行った。
来る時には、路傍のこけら葺の汚ないだるま屋の二階の屋根に、襟垢のついた蒲団が昼の日ののどかな光に干されて、下では蒼白い顔をした女がせっせと張り物をしていたが、今日は障子がびっしゃりと閉じられて、日当たりの悪いところには青ごけの生えたのが汚なく眼についた。