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Japanische Klassiker mit Furigana

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わたしのこうりしょうどう

私の小売商道

相馬 愛蔵

Lesen Sie 私の小売商道 (わたしのこうりしょうどう) von 相馬 愛蔵 (そうまあいぞう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 160.396 Zeichen · 312 Bildschirme

Aozora Bunko

無論「こうしろ」とか「ああしろ」とかいう規則は拵えない。形式的にいくら箇条を並べたところで、守らなければそれまでだし、またその規則に触れた者があったとして、私の眼が必ずそれにとどくとは言えない。すると、その規則は無意味になるばかりでなく、かえって「破っていいのなら」とわるい影響を及ぼす。

賞罰ということになるとさらにむずかしい。これも若い頃の失敗を話すことになるが、私がまだ本郷にいた時分、眼に見えてよく働く店員がいたので、銀時計をやって表彰した。すると同期の店員から思いがけなく、自分達も一生懸命働いていたのにあの人ばかり表彰された、という不平の声が洩れて来た。私は「しまった」と思った。なるほどもっともだ。庭の桜の桜としての美しさのみに見惚れて、同じ庭の松の存在を忘れていた。目立つ人間と目立たない人間とそれぞれの持ち前に従って本分を尽しているのだ。これは自分の眼が足りなかったと考えて、今に私はこの失敗を深く肝に銘じている。

また、私の店の金銭登録器は一日に六千回も記録する。ところが会計係の報告によると、日によって、記録された金額と、実際抽出しの中の金額では、二三十銭から一円五十銭くらい違っていることがある。