Japanische Klassiker mit Furigana
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びしょうじょいちばんのり
美少女一番乗り
山本 周五郎
Lesen Sie 美少女一番乗り (びしょうじょいちばんのり) von 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 73.583 Zeichen · 149 Bildschirme
ただ立っている相手を突いたところで稽古にも修練にもならないではないか。またたとえ体をかわしたからといって、それでころぶのは自分が未熟だからで、金之助をなぐる理由は少しもないぞ」
「でも、動かない約束なんです」
「それなら石地蔵でも相手にするがよい、――金之助は用事の多い体だから、そんなつまらぬ遊び相手に使ってはならぬ」
慶太郎はべそをかきながら返事もせずに立去った。――与右衛門はきつい眼でその後ろ姿を見送っていたが、金之助の方へ振返るとその眼は自然と静かにやわんだ色に変わった。そして何か話しかけたいような様子であったが、
「おむらの工合はどうだ。寒いからよく気をつけてやるがよいぞ」
そういって家の方へ立去った。
金之助は具足を脱ぎ、慶太郎のほうり出して行った稽古槍を拾って、侍部屋の方へ廻って行こうとしたが、庭木戸まで来ると、そこに立っている一人の少女がそっと走りよって、
「金之助さん、痛かったでしょう?」
と声をひそめていった、――お奈々は足軽内田松右衛門の娘で、年は十三であるが、器量よしの、気の勝った少女だった。
「見ていたのか、お奈々ちゃん」
「あたしくやしくって胸がきりきりしちゃったわ。