Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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びしょうじょいちばんのり

美少女一番乗り

山本 周五郎

Lesen Sie 美少女一番乗り (びしょうじょいちばんのり) von 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 73.583 Zeichen · 149 Bildschirme

Aozora Bunko

「お姫さま、――」

老女の小倉があわただしく入って来た。

「御安心遊ばしませ」

「え?」

「お人形がみつかりましてございます」

そう聞くと同時に、千草の全身が電気に触れたようにぴりぴりと震えた。――老女小倉は大切そうに和蘭人形を抱えていた、それは赤児ほどもある大きなもので、銀色の髪と碧い眸をもち、日本風の友禅の振袖を着ている美しいものだった。

「まあよかった、うれしいこと」

姫は子を取戻した母親のように、老女の手から抱取って頬ずりをした。

「でも、どこにあったの?」

「お側の者が盗んだのでございます」

老女はそこへ坐りながらいった。――姫は悲しげに眉をひそめて、

「やっぱりそうだったの、憎いこと」

「憎うございます、しかもその者はお姫さまがどんなにこのお人形を大切に遊ばしているか、誰よりもよく存じている者なのです」

「誰なのそれは」

「ここにいる者です」

老女はずばりといった。

「ここにいる者って?……」

「この千草でございます」

満里子姫はもう少しで抱いている人形を落としそうにした。

「嘘、嘘よ、そんなこと嘘だわ」

「そう思し召すのも無理はございません、お姫さまの一番お気に入りで、誰よりも目を掛けておやり遊ばした者ですもの、それがこんな大それた事をするなんて……わたくしも、千草の部屋からみつけ出した時には、自分の眼を疑ったくらい