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Japanische Klassiker mit Furigana

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ききがきしょう

聞書抄

谷崎 潤一郎

Lesen Sie 聞書抄 (ききがきしょう) von 谷崎 潤一郎 (たにざきじゅんいちろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 108.821 Zeichen · 210 Bildschirme

Aozora Bunko

同じ道にし行くぞうれしき

とある。

思うに当時悪逆塚のことを世人が畜生塚と呼んだのは、こう云う事実が民間に知れ渡っていたからであろうか。殺生関白が残虐の血を以て彩られた罪悪史のうちでも、分けて此の一事が太閤の嫉妬と憤激を買ったと云うのも道理であって、謀叛よりは寧ろ此の種の行為が、その滅亡を早める結果となったのかも知れない。それにしても彼の享楽の犠牲となった気の毒な親子は、互に如何なる感情を以て相対し、どう云う風なその日/\を送りつゝあったか。尤も順慶は格別の事があったようには語っていないのであって、御台様はと云うと、「いつも奥御殿にたれこめてのみおくらしなされましたので、とかく御気分の沈みがちな時が多かったようでござりました」と云い、その淋しさを幾分でも忘れて、紛れていたのは、「お宮御前と申すお方がいらしったからでござります」と云う。のみならず、「親一人子一人のたよりない方々でござりましたから、たがいに片時もお離れなさらず、何かにつけて慰め合うていらっしゃいました」とさえ云っている。蓋し順慶は此の二人を何処までも美しい親子として後世に伝えたかったに違いなく、そこに些少の庇護や作為が加えられたろうけれども、しかし親子の間柄が案外うるわしかったであろうことは、ほゞ想像出来なくはない。