Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
ききがきしょう
聞書抄
谷崎 潤一郎
Lesen Sie 聞書抄 (ききがきしょう) von 谷崎 潤一郎 (たにざきじゅんいちろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 108.821 Zeichen · 210 Bildschirme
なぜかと云うに、恐らく当時のお宮御前はたゞ身を人形のようにしていたに過ぎなかったであろうから、母親としてそう云う我が児にひとしお不便を覚えこそすれ、何しに憎しみを感じようぞ。否、娘の上に降りかゝった傷ましい運命は、却って一層二人を結び着けたであろうと思えるのである。
挿絵
挿絵
少女と雖も一つの局をあてがわれて、母親とは別の伏戸に寝起きしていたと考えられるが、実際は殆ど母の部屋で暮している日が多かったと見え、いつも順慶が御機嫌伺いに行くときは、親子が一つ御簾のうちに仲好く寄り添うていたのであった。そうして朝夕の食事はもとより、折に触れてのさま/″\な遊戯や催しなども、必ず楽しみを共にしていた。察するところ、三十人もの嬖妾が互にアラ捜しをし合っている奥御殿のことであるから、親子は人に後指をさゝれないように、殊更睦じい様子を見せもしたのであろう。又母親としては、己れの孤独を悲しむよりも我が児の不運を憫み、少しでも彼女に自責の念を起させたり、肩身の狭い思いをさせたりしないように、寧ろ娘を慰める側へ廻ったのであろう。親子の間がしっくり行っていることについては、いろ/\の場合にいじらしい情景を見せられている順慶であるが、分けても娘が関白の御前へ祗候するために常よりは濃い化粧をして身じまいをとゝのえる時、母親が示す細やか