Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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ききがきしょう

聞書抄

谷崎 潤一郎

Lesen Sie 聞書抄 (ききがきしょう) von 谷崎 潤一郎 (たにざきじゅんいちろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 108.821 Zeichen · 210 Bildschirme

Aozora Bunko

三笠山雲井の月はすみながら

変り行く身の果てぞ悲しき

挿絵

その夜は奈良中坊井上源五に宿を取る。方々からの見廻飛脚が賑わうのを憚り多しと云って断り、又高野山へ見廻之儀一切停止なさるゝ旨、駒井中務少輔、益田少将方から廻文に及び、たゞ山の口々に歩士二人宛すえ置くように申し触れた。扨あくる日は岡野の宿を経、当麻の寺の鐘のこえを聞いて、

転寝の夢の浮世を出でゝ行く

身の入相の鐘とこそ聞け

かくて高野山に到着、青巌寺を仮の住まいと定め、剃髪染衣の身となって道意禅門と号したが、お供の人々も皆これに倣うて髻を切った。

挿絵

秀次は木食上人に会うて涙に咽び、われかゝる事のあるべきとは思いも寄らず、世にありし時心を附くる事もなくて、今更あさましゅうこそ候え、みずからが露の命、早や極まり候えば、只今にも伏見より検使あらば自害すべし、亡からん跡は誰をか頼み申すべきと云いもあえず、ふたゝび涙を流したので、上人承り、御諚にて候えども、此の山へお登りなされ候上はいかで御命に障り候べき、たとい太閤御憤り深くましますとも、当山の衆徒一同にて申し上げ、御一身を乞い受け奉るべしと云ったが、検使は福島左衛門大夫、福原右馬助、池田伊豫守を大将としてその勢五千餘騎、文禄四年七月十三日の申の刻に伏見を立ち、十四日の暮方に高野山へ着いて、上人を始め一山