Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

ja-reading.com

Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.

ききがきしょう

聞書抄

谷崎 潤一郎

Lesen Sie 聞書抄 (ききがきしょう) von 谷崎 潤一郎 (たにざきじゅんいちろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 108.821 Zeichen · 210 Bildschirme

Aozora Bunko

に依れば彼は盲人であったのである。

挿絵

挿絵

当時、世間では悪逆塚のことを俗に「畜生塚」と呼んでいたが、此の行者のことを「畜生塚の順慶」と称して、三条辺では誰知らぬ者もなかったのであった。順慶はよく、十四五になる小坊主に手引きをさせて京の町をさまよい歩き、或は人家の軒に立って経を読み、或は奥へ請ぜられて加持祈祷をし、日々僅かな布施を得て糊口を凌いでいたらしかったが、どうかすると、こんな工合にたった一人で河原や橋のあたりへ来てうろついていたり、欄干にもたれながら見えない眼を伏せて水の流れを眺めたりしていた。そうしてそんな場合には、通行人が覚えず足をとゞめる程の声で、ぶつ/\ひとりごとを云う癖があった。行者のことだから呪文か陀羅尼のようなものを唱えているのかも知れないと、そう思って通り過ぎる人が多かったけれども、どうも呪文ではないらしい、普通の言葉で何かしゃべっているらしいと云う者が出て来て、追い/\町の人たちが聞き耳を立て、そうっと傍へ近寄ってそのひとりごとに注意すると、

天下は天下の天下なり、関白家の罪は関白の例を引き行はる可きの事、尤も理の正当なるべきに、平人の妻子などのやうに、今日の狼藉甚だ以て自由なり、行末めでたかるべき政道にあらず、吁、因果のほど御用心候へ、御用心候へ