Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
だっせんむすこ
脱線息子
佐々木 邦
Lesen Sie 脱線息子 (だっせんむすこ) von 佐々木 邦 (ささきくに) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 108.293 Zeichen · 221 Bildschirme
円タクは嚏をしても止まる。
「牛込弁天町」
と行先を言って納まった時、この前のことを思い出して、
「あゝ/\、有難い。到頭成功したんだ」
と痛切に感じた。同時に秀子さんの顔が浮んだ。いつもワン・ピースの海水浴姿でチラつく。男性が女性の裸体像を好む限り、夏分馴染む方が徳だ。
「一寸具合が悪いな」
と首を傾げて、
「何あに、構わない。逗子の要領で好いんだ」
と勇を鼓す。不図半座を分けた風呂敷包が目を惹いた。チョコレートだ。アメリカでは娘をチョコレートで釣る。
「成程、成功した」
と又思う。自動車が沢山通る。東奔西走、如何にも忙しそうだ。しかし此方のような大切な用件で乗り廻しているものがあるだろうか?
「成功々々」
と何彼につけて微笑まれる。神楽坂から肴町へ差しかゝった時、先頃縁日の晩寛一君と一緒にその辺を辿ったことを思い出した。将来この道を度々通る運命があるだろうかとその折考えたが、現に今又通っている。それもこれから果しなく通る皮切りだ。
「有難い/\」
と新太郎君、この両三日は感慨頓に深いものがある。
松浦家に着くと、直ぐに洋間へ通された。最初友三郎さんが現れた。