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Japanische Klassiker mit Furigana

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だっせんむすこ

脱線息子

佐々木 邦

Lesen Sie 脱線息子 (だっせんむすこ) von 佐々木 邦 (ささきくに) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 108.293 Zeichen · 221 Bildschirme

Aozora Bunko

「この度は種々とお世話になりまして……」

と新太郎君は真赤になってお礼を言った。

「結構でした。これからは何うぞ宜しく」

と松浦さんも満足のようだった。相婿になるという意味だったろう。次に操さんが、

「まあ/\」

と会釈をしながら入って来た。

「この度は……」

と新太郎君は又ドギマギする。

「秀子さんは?」

と松浦さんが訊いた。

「出にくいんですわ、矢っ張り」

「呼んで来ましょうか?」

「今に参りますよ」

と操さんは落ちついている。

縁談関係らしい挨拶はそれ丈けだった。一昨日の打ち合せに従って、松浦さんは直ぐに、

「承わればお父さんは近々海外視察にお出かけだそうでございますな」

と気を利かしてしまった。

「はあ」

と新太郎君は何かもっと具体的なものを掴みたかったのである。

「あなたはお供なさいますか?」

「いゝえ」

「丁度よろしい機会じゃありませんか?」

と松浦さんは無慈悲なことを言う。

「留守の都合がございますから」

「はゝあ」

「多分原田をつけてやることになりましょう」

と新太郎君は自分の意思で任命するように大きく出た。

「成程、原田君ならあなたも同じことですから安心ですな」