Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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はんにゃしんぎょうこうぎ

般若心経講義

高神 覚昇

Lesen Sie 般若心経講義 (はんにゃしんぎょうこうぎ) von 高神 覚昇 (たかがみかくしょう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 106.121 Zeichen · 213 Bildschirme

Aozora Bunko

それはこうです。

むかしあるところに一人の旅人がありました。広い野原を歩いていた時、突然、狂象に出逢いました。おどろいて逃げ去ろうとしましたが、広い広い野原のこと、逃げ隠れる場所とてはありません。しかし幸いにも野原の中に、一つの古い井戸がありました。そしてその井戸には、一筋の藤蔓が下の方へ垂れ下がっていました。天の与えと喜んで、旅人は急ぎそれを伝って、井戸の中へ入ってゆきました。狂象はおそろしい牙をむいて覗きこんでいます。ヤレまあよかったと、旅人がホット一呼吸していると、井戸の底には怖ろしい大蛇が口を開いて、旅人の落ちてくるのを待っているではありませんか。駭いて周囲を見まわすと、どうでしょうか、四方にはまだ四疋の毒蛇がいて、今にも旅人を呑もうとしています。命とたのむものは、たった一本の藤蔓です。しかしその藤蔓もです、よく見れば、黒と白の二疋の鼠が、こもごもその根を噛っているではありませんか。もはや万事休すです。全く生きた心地はありません。ところがです。たまたま藤蔓の根に作っていた蜜蜂の巣から、甘い蜜がポタリポタリと、一滴、二滴、三滴、「五滴」ばかり彼の口へ滴りおちてきたのです。