Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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はんにゃしんぎょうこうぎ

般若心経講義

高神 覚昇

Lesen Sie 般若心経講義 (はんにゃしんぎょうこうぎ) von 高神 覚昇 (たかがみかくしょう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 106.121 Zeichen · 213 Bildschirme

Aozora Bunko

鳴かぬ螢

一杯の水

そこで今度は、反対に文殊菩薩が、維摩居士に同じく、不二の法門とはなんぞや? と反問しました。すると、維摩はただ黙って、何も答えなかったというのです。

「時に維摩、黙然として、言無し」

と、『維摩経』に書いておりますが、黙然無言の一句こそ、実に文殊への最も明快な答えだったのです。さすがは智慧の文殊です。

「善いかな、善い哉、乃至、文字語言あることなし。これ真に不二の法門に入る」

とて、かえって維摩の「黙」を歎称しているのです。古来、「維摩の一黙、声雷のごとし」といっておりますが、この黙の一字こそ、非常に考えさせられる言葉だとおもいます。

鳴かぬ螢 「恋にこがれて鳴く蝉よりも、鳴かぬ螢が身を焦がす」といいます。泣くに泣かれぬといいますが、この境地が最も悲痛な世界です。涙の出ない涙こそ、悲しみの極みです。あえて真理にかぎらず、すべてのものごとについても、不完全な私どもの言葉では、とうていものの「真実」、「実際」をありのままに表現することはできないものです。

一杯の水 「一杯の飲みたる水の味わいを問う人あらば何とこたえん」です。自分自ら飲んでみなければ、水の味わいもわかりません。