Japanische Klassiker mit Furigana
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はなとりゅう
花と龍
火野 葦平
Lesen Sie 花と龍 (はなとりゅう) von 火野 葦平 (ひのあしへい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 410.131 Zeichen · 824 Bildschirme
そんなこと、あたしがいわなくたって、百も二百も承知しとる癖に、河豚なんて食うて。河豚はいつも食うて、当らんことを知っとる筈なのに、どんな河豚を、どうして食べたの? 今ごろの河豚、食うもんがありますか。それとも、敵方から、計略で食わされたとですか? この大切な問題の最中に、一番責任のあるあなたが、こんな考えのない、……仲仕の代表、玉井金五郎が河豚中毒で死んだ。……そういわれてもええの? 笑いもんになっても、ええの? おお、恐し」
逆上したように、しゃべりつづけていたマンは、眼を真赤にし、ワア、ワアと、大声を立てて泣きだした。
洞海湾の水の色が、梅雨に濡れた後、やがて、夏雲を映すようになった。
戸畑側の新川岸壁には、三菱炭積機が、着々と、工事を進められた。
港には、なにごともないように、日夜、船舶が出入した。
聯合組の隣りに、「若松港汽船積小頭組合」の事務所がある。その看板とならんで、三倍も大きな、「争議本部」の新しい板札がかかげられた、小頭組合の裏にある「玉井組詰所」の二階に、「若松港沖仲仕労働組合」の看板がかかっている。赤地に、スコップ、雁爪、櫂、を組みあわせて図案化した組合旗が、ひるがえっている。