Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
はなとりゅう
花と龍
火野 葦平
Lesen Sie 花と龍 (はなとりゅう) von 火野 葦平 (ひのあしへい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 410.131 Zeichen · 824 Bildschirme
同時に、あらわれた中のしんに、火がともっている。石油くさい。
「さあ」
機械の火をさしだされて、マンは、鼓動を感じながら、くわえたまま、煙管の雁首を近づけた。火を吸いつけてから、かあッと、顔が、真赤に燃えた。耳まで、赤くなった。
「おマンさん、これ、懐中ランプというもんじゃ。アメリカ通いの汽船で、事務長から貰うたんじゃが、あんたにあげよう。わたしは、煙草をのまんけに、用がない」
「いいえ、要らんです」
「遠慮せんで、貰うときなさい」
と、チヱがいった。
「実をいうと」と、金五郎は、快活な調子で、「わたしは、煙草をふかす女なんて、好きじゃない。じゃけど、林助さんから、あんたが、どうして煙草のみになったか、ちゅう話を聞かされて、急に、あんたが好きになった。それで、この懐中ランプを、あんたにあげる気になったんじゃ」
マンは、兄林助が、どんな風に話したのか、と、気がかりになった。
煙草好きであった父善助のため、専売局の眼をかすめてまで、煙草葉を集めて、キザミを作ってやった。マンは、父にのませるために、まず、自分が火を吸いつけてから、父に煙管をわたした。それが習慣になると、はじめは、苦くて、からくて、むせかえっていたが、しだいに熟練するとともに、いつか、煙草に味が出て来た。