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Japanische Klassiker mit Furigana

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くしんのがくゆう

苦心の学友

佐々木 邦

Lesen Sie 苦心の学友 (くしんのがくゆう) von 佐々木 邦 (ささきくに) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 162.732 Zeichen · 332 Bildschirme

Aozora Bunko

「また釣れた!」

と正三君はふたたび成功した。

「なんでしょう? 今度のは小さい」

「やっぱりバカです」

と杉山は見もしないで判定した。

「富田さん、僕はもうかえります」

と照彦様は二、三度餌をとられた後じれ始めた。

「どうかなさいましたか?」

「つまらない。今日はバカばかりです」

「まあまあ、そうおっしゃらずに。今にほんとうの魚が食います」

と富田さんがなぐさめた。正三君は自分の一番槍が若様のお癪にさわったと合点した。

「しめた!」

と折りから照彦様が勇み立った。大きなぼらを釣ったのだった。

「おてがら、おてがら」

「これは大物です」

「なんですか?」

と正三君がきいた。

「ぼらですよ」

と富田さんが小声で教えてくれた。

「それじゃ僕のもぼらです」

「きみのはバカだよ」

「でも同じです」

「いや、僕の方が大きい」

と照彦様は主張した。

「大きなぼらだ」

「大きなぼらだ」

と杉山と黒須先生が異口同音にほめた。照彦様はまもなくご機嫌が直った。富田さんも黒須先生も安心して釣り始めた。

「昼からの一番槍こそ僕がやってやる」

と照彦様はおべんとうを食べながらいばった。

「内藤さん」

と富田さんが正三君の耳元でささやいた。