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Japanische Klassiker mit Furigana

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くしんのがくゆう

苦心の学友

佐々木 邦

Lesen Sie 苦心の学友 (くしんのがくゆう) von 佐々木 邦 (ささきくに) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 162.732 Zeichen · 332 Bildschirme

Aozora Bunko

若様もお痛いのをがまんするのが大和魂です」

「きみは僕を痛い目にあわせたいのか?」

「そうじゃありません。若様がご丈夫になるようにと思うんです」

「よし。それじゃ切ろう。僕も男だ。明日切る」

「明日は柳田さんです」

「それじゃ明後日切る。そのかわりきみも帰りたいなんていうな。うんといじめてやるからしんぼうしろ」

と照彦様は額に青すじを立てていた。

二人は自習にとりかかった。正三君もつい本気になっていいあったので教科書はうわの空だった。そこへ小間使いのお菊が現われて、

「照彦様、藤岡さんがお見えになりましたから、応接間へおいでくださるようにと奥様からでございます」

と注進した。

「ふうむ」

と照彦様は驚いた。藤岡さんというのは耳鼻咽喉科の先生でやはり家来だ。

「照彦、お前はずるくて逃げまわるから、お母様がいきなり先生をお呼びになったんだよ」

と一番上の照正様が申し聞かせた。照彦様はお菊について出ていった。

「照正様、照彦様は扁桃腺をお切りになるんでしょうか?」

と正三君がきいた。

「今夜じゃないです」

「いつでございましょう?」

「さあ。あれは一週間ぐらい入院しなければなりませんからね」