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Japanische Klassiker mit Furigana

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くしんのがくゆう

苦心の学友

佐々木 邦

Lesen Sie 苦心の学友 (くしんのがくゆう) von 佐々木 邦 (ささきくに) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 162.732 Zeichen · 332 Bildschirme

Aozora Bunko

「よろしくおっしゃってください」

「はあ?」

「それでは手術にかかりましょうか? ジョキンジョキンジョキン。もうよろしい」

「はあ?」

「もういいんです。うがいをして」

「はあ?」

と正三君は診察室の方を見かえったが、くもりガラスだから大丈夫だった。

「すこし痛い顔をして」

「これぐらいですか?」

「そうそう、こちらへいらっしゃい」

と藤岡さんは診察室へ案内して、

「もうすみました」と皆に一礼した。

「まあ、お早いですこと。お強いお強い」と奥様がいたわった。

「痛かったかい?」と照彦様は真剣な顔をして寄りそった。

「いいえ」

「すこしも?」

「ええ。痛いなんて思う間はありません。すぐです」

「あまりお口をおききになっちゃいけませんよ。血が出ます。病室へ行ってお休みなさい」

と藤岡さんは正三君を看護婦の手にまかせた。

つぎに照彦様が手術室へはいった。奥様と安斉先生が立ち会った。今度はほんとうの手術だから支度に手間がかかる。

「若様、臍下丹田にお力をお入れあそばして」

と安斉先生がはたからはげます。看護婦がお頭をおさえている。藤岡さんは照彦様の口へ機械を入れてのぞきはじめた。

「じっとなすって。