Japanische Klassiker mit Furigana
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くしんのがくゆう
苦心の学友
佐々木 邦
Lesen Sie 苦心の学友 (くしんのがくゆう) von 佐々木 邦 (ささきくに) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 162.732 Zeichen · 332 Bildschirme
内藤君、きみは心配事のある時には遠慮なく私に相談しなければいかん」
「はあ」
「おやしきでご忠義をつくしている間は、私をお父さんと思ってよろしい」
「はあ」
「こわいかな? 私が」
「いいえ」
「困ることがあったらなんでも私に話してください。少しも遠慮はいりませんよ」
と安斉先生はニコニコして見せた。たちのわるい顔で笑うとかえってこわくなる。
「はあ」
「しかし内藤君、きみはナカナカ感心なものだ。若様のためによく考えてくれました」
「なんでございますか?」
「試験の成績のことです。お父さんと相談しました。きみは一番になりなさい」
「はあ。一番なら思いきりさえよければなれますが、危ないです」
「二番でもよろしい」
「二番は少しむずかしいです」
「三番でもよろしい」
「ビリからですと何番でもかげんがナカナカむずかしいです」
「いや、頭からです」
「ははあ」
「頭から一番になってよろしい。お学友が模範を示す分には少しもさしつかえありません」
「はあ、そうですか」
と正三君は安斉先生が思いのほかわかっているのに驚いた。
「花岡伯爵家の名誉のために優秀の成績をとってください」
「はあ、できるだけやります。