Japanische Klassiker mit Furigana
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くしんのがくゆう
苦心の学友
佐々木 邦
Lesen Sie 苦心の学友 (くしんのがくゆう) von 佐々木 邦 (ささきくに) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 162.732 Zeichen · 332 Bildschirme
二人一緒なら大丈夫だろう」
「一人ずつでしょう」
「いや、僕たちだけは二人さ」
「そんなことはないでしょう。それじゃ二人のお肝試しになります」
「二人ゆけば二人のお肝試しさ。それは安斉先生もわかっている。僕はきみがゆけばゆくといったんだもの」
と照彦様は実際そのつもりだったのかもしれない。
「僕も若様とご一緒なら助かります」
「きみも僕がゆけばゆくといったじゃないか?」
「そうです、ご一緒にまいりましょう」
と正三君もずるい。都合のいい方の意味にしてしまった。
「けれども大入道が出たらどうしよう?」
「そんなものはいませんよ」
「いや、僕は富田さんからきいた。狐はとにかく、狸はたしかにいる」
「ばけたんですか?」
「うむ。富田さんの兄さんが見たそうだ。電信柱ぐらいあるって」
「たまらないなあ」
「それから、月夜の晩にお山でポンポコポンポコって腹太鼓を叩いていたそうだ」
「いつのことですか?」
「僕たちの生まれない頃のことだけれども」
と照彦様はおじけづいていた。正三君もこんな話を聞かされると、お肝試しの会がますます思いになる。
学習室に残った照常様は、
「お兄様、僕はいいことを考えました」