Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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くしんのがくゆう

苦心の学友

佐々木 邦

Lesen Sie 苦心の学友 (くしんのがくゆう) von 佐々木 邦 (ささきくに) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 162.732 Zeichen · 332 Bildschirme

Aozora Bunko

「もうお正月はすみました」

「まだ正月だよ。一月中は正月だ」

「理屈をおっしゃれば、それにちがいありませんが、七草までがお祭のお正月で、それから後はただのお正月です」

「きみこそ理屈をいっているよ」

「そうじゃありませんけれど、これがどこでもあたりまえです」

「なにが? 勉強ばかりするのがか?」

「はあ」

「もういいよ」

「おわかりになりましたか?」

「わからん」

「困りましたな」

「皆でよってたかって僕に勉強ばかりさせる、ほんとうに忠義な奴は一人もいない」

「若様」

「知らん」

「元日のご決心をお忘れになりましたか?」

「知らん」

「本気になってご勉強なさるお約束でした」

「あれはあのときちょっとそんな気になったんだ。もう夢なんか見ないからかまわない」

「若様」

「知らん」

「それなら僕も知りませんよ。若様が中から上でご進級なさらなければ、僕は家へ帰ってしまうお約束でした」

「きみのはいつもおどかしだ、ほんとうに帰らないから大丈夫だよ」

と照彦様はとうてい三日坊主をまぬがれない。もうソロソロ勉強が苦しくなった。

正三君は相かわらず若様のご指導に一生懸命だ。秋からの努力が多少効果を奏したので、はげみがついている。