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Japanische Klassiker mit Furigana

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くしんのがくゆう

苦心の学友

佐々木 邦

Lesen Sie 苦心の学友 (くしんのがくゆう) von 佐々木 邦 (ささきくに) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 162.732 Zeichen · 332 Bildschirme

Aozora Bunko

と照常様は正三君を呼んで、しばらく耳打ちをした。正三君は続けざまにがてん首をした後、

「わかりました」とほほえんだ。

「始めます。さあ、内藤君、目をつぶっていたまえ。照彦」

「はあ」

「お前はなんでもいいから、指でさす。それを内藤君が後からあてるんだ」

「なにをさしましょう?」

「なるだけわからないものがいい」

「さあ」

「早くさせ」

「これ」

と照彦様は自分の鼻をさした。

「よし、インプインプ」

「…………」

「内藤君、インプインプといったらきみは目をさますんだよ」

「はあ」

と正三君は顔をおさえていた手をはずして目をあいた。

「インプというのは魔物のことだよ」

と照常様は説明して、

「さあ。インプインプ、照彦がなにをさした?」

ときいた。

「…………」

「このテーブルか?」

「違います」

「その電燈か?」

「違います」

「黒須先生のおめがねか?」

「違います」

「おひげか?」

「違います」

「照彦の鼻か?」

「そうです」

と正三君はあてた。

「もう一ぺん」

と照彦様は所望して、今度はストーヴをさした。

「インプインプ、照彦がなにをさした? そこにある石炭か?」

「違います」

「ストーヴか?」

「そうです」