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Japanische Klassiker mit Furigana

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くしんのがくゆう

苦心の学友

佐々木 邦

Lesen Sie 苦心の学友 (くしんのがくゆう) von 佐々木 邦 (ささきくに) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 162.732 Zeichen · 332 Bildschirme

Aozora Bunko

「照彦様、失礼いたしました」

と正三君が進みよった。照彦様はまだ渋面作っていたが、

「照彦や、おまえがそんなにわがままをすると、内藤さんはお家へお帰りになってしまうよ」

と戒めたので、ようやくうなずいた。

お母様の前をひきさがってお部屋へもどる途中、照彦様は内藤君を肩で押してきた。内藤君は知らん顔をしていた。この上喧嘩を買いたくない。その中に照彦様は正三君の肩に手をかけて、

「内藤君、きみはおこっているね」

ときいた。

「いいえ」

「きみは帰る気か?」

「帰れとおっしゃるなら帰ります」

と正三君は答えた。これでは実際勤まりかねると思っていたのだった。

「きみ、帰っちゃ困る。いつまでもいてくれたまえ。僕が悪かった」

「帰りません」

「仲よくしよう」

と照彦様は内藤君の手を取った。

正三君はお部屋までお供した。照彦様は勉強机に坐ったまましばらく考えていたが、頭をおさえてシクシク泣きだした。

「若様、さっき打ったところがお痛いんじゃありませんか?」

と正三君は心配した。

「いや、頭はなんともないが、いやあな心持ちがして仕方がない」

「どこかお悪いんじゃないでしょうか?」

「いや、そうじゃない」