Japanische Klassiker mit Furigana
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くしんのがくゆう
苦心の学友
佐々木 邦
Lesen Sie 苦心の学友 (くしんのがくゆう) von 佐々木 邦 (ささきくに) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 162.732 Zeichen · 332 Bildschirme
と一番上の照正様がすっぱぬいた。
「うむ? なんの顔?」
「蜂にさされました」
「ふうむ。それはいけなかったな。照彦、こっちをむいてごらん」
「はあ」
と照彦様はもう覚悟した。
「なるほど、えらい顔だ。内藤」
「はあ」
「おやおや、これもひどい。二人ともなにかお能の面に似ているよ」
とお殿様がいかにも感じたようにおっしゃったので、一同お笑いになった。
「裏の林へはいって巣を取ろうとしたのだそうでございます」
と奥様が説明してくだすった。
「とにかく、世の常の顔じゃない。それで明日学校へゆけるかい?」
「明日は日曜です」
「ああ、そうか」
とお殿様は例によって日曜をご存じない。
「明日中にせいぜい縮めるそうです」
と照常様までうち興じた。
「内藤さんは照彦のお相伴でございますよ。おかわいそうに」
とお姉様が同情してくだすった。
「むろん発頭人は照彦さ。しかし痛かろう?」
「頭の方はまだチクチクします」
「頭もやられたのかい? 内藤はどうだな?」
「もうなんともありません」
「照彦は昨今よく頭へたたるな」
「もともと頭が悪い上にさんざんです」
と照彦様は頭をかいていた。
日曜の晩から自習が始まった。