Japanische Klassiker mit Furigana
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くしんのがくゆう
苦心の学友
佐々木 邦
Lesen Sie 苦心の学友 (くしんのがくゆう) von 佐々木 邦 (ささきくに) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 162.732 Zeichen · 332 Bildschirme
「内藤君は府立からきた秀才だよ」
とほかの善良な生徒にもひきあわせてくれる。何様のご家来かわからないが、学術優等品行方正だけは安斉さんの注文にはまっている。しかしどこまでも厄介なのは堀口生だった。正三君はまもなくこの無法ものがだれにでも食ってかかることをみとめた。
ある雨の日の休憩時間に、両三名の生徒が、
「田代先生が休みだぞ」
という吉報を掲示場からもたらした。級生一同は、
「うまいうまい。ありがたいありがたい」
と手をうって喜んだ。小学校の一年生はむやみに学校へゆきたがるが、中学校の一年生はむやみに休みたがる。
「松村」
とこの時堀口生が大きな声で呼んだ。この悪太郎はだれでも呼びずてにする。
「なんだい?」
「くりあげにしてこい」
「よしよし」
と承知して、級長の松村君は教員室へむかったが、ほどなく戻ってきて、
「だめだよ。橋本先生が補欠にくる」
と報告した。
「なんだ? おケツだ?」
と不良の堀口生は好んできたないことをいう。子分どもはおべっかを使って笑った。
「補欠だよ」
「ばか!」
「なにがばかだい?」
と級長も少し癪にさわった。
「おケツじゃもうからない。おまけに、やさしいものとむずかしいものを取りかえてくる奴があるか?」