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Japanische Klassiker mit Furigana

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えいほんどじょうりくせんのぜんや

英本土上陸戦の前夜

海野 十三

Lesen Sie 英本土上陸戦の前夜 (えいほんどじょうりくせんのぜんや) von 海野 十三 (うんのじゅうざ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 35.727 Zeichen · 72 Bildschirme

Aozora Bunko

そして轟然たる爆音がつづけさまに、鳴りひびき、そして、じ※じ※じ※と建物は震えた。

彼は、くらがりの中で手に当った服をすばやく、身につけた。

室から飛びだすと、ネオンの常置灯が、うすぼんやり廊下を照らしていた。

(防空室は、どの階段を下りるのかな)

彼は、アンから教わった階段を忘れてしまった。そのときまた、つづけさまに、爆音が轟いた。ひゆーンという飛行機の呻りが聞える。どうもドイツ機らしい。廊下のつきあたりのカーテンが、ぴかっと光った。外の爆発の閃光が、カーテンを通すのであった。建物は、今にも裂けとびそうに、鳴動する。

そのとき、爆弾の音を聞きながら、彼は、なにかこう、男性的な快感を覚えた。

「そうだ。屋上へ上って、一つ、戸外の様子を見てやれ」

こういう山の上の建物だから、よもや大して爆撃されることもあるまいとも思ったのである。彼は、廊下の突き当りの扉をあけて、非常梯子づたいに屋上の方へ上っていった。

壮観であった。思いがけない大壮観であった。眼下に見えるクリムスビーの町の上には、照明弾が、およそ二三百個も、煌々と燃えていた。この屋上にいても、新聞の文字が読めそうな明るさである。