Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
たでくうむし
蓼喰う虫
谷崎 潤一郎
Lesen Sie 蓼喰う虫 (たでくうむし) von 谷崎 潤一郎 (たにざきじゅんいちろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 110.066 Zeichen · 216 Bildschirme
ないように、そして先祖の位牌にも傷をつけないようにして安穏に生きて行きたかった。仮りに自分は親戚なぞの干渉を恐れるところはないにしても、自分より一層誤解され易い妻の立ち場を庇ってやらなければ、結局夫婦は身動きが取れなくなる。たとえばこの頃の妻の行為がありのままに京都の父親にでも知れたら、いかに物分りのいい老人でも世間の手まえ娘の不埒を許しては置けないであろう。もしそうなれば彼女は要と別れたとしても、思い通りに阿曽の所へ行けるかどうかも疑問である。「親や親類の圧迫なんかあたしちっとも恐くはないわ、みんなに義絶されたって構わない積りでいるんですから」と、いつもはそう云っているけれども、事実そんなことが出来るかどうか。彼女について事前に悪い噂が立てば、阿曽の方にも親や兄弟がある以上、そう云う方面からの故障も予想せられた。そればかりでなく、母が日蔭者のようになっては、それが子供の将来に及ぼす影響も考えなければならない。要はいろいろの事情を思うと、別れた後にも互が幸福に行けるようにするには、余程上手に周囲の人たちの理解を求める必要があるので、平素から用心深く世間に気取られないようにしていた。