Japanische Klassiker mit Furigana
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たでくうむし
蓼喰う虫
谷崎 潤一郎
Lesen Sie 蓼喰う虫 (たでくうむし) von 谷崎 潤一郎 (たにざきじゅんいちろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 110.066 Zeichen · 216 Bildschirme
なれるのを待ちこがれている母親の境涯を訴えたり、滔々として天を怨み世を呪う言葉をつらねる。彼女はここへ来る前には女優をしていたことがあるから、ステージ・ダンスならエリアナ・パヴロヴァあたりには負けないくらいな腕がある、要するにこんな所にいる女とはたちが違う、自分のような才能のある者をこうして置くのは勿体ない話だ、巴里やロス・アンジェルスへ行っても立派に一本立ちが出来るし、堅儀な方面ならこれだけ語学の天分があったら重役の秘書にでもタイピストにでもなれる、だから自分を救い出して日活の撮影所か、外国の商館へ紹介してくれろ、そうして貰えれば月々の物は百円か百五十円も補助してくれたら沢山だと云うのである。
「あなた今だって一遍来れば五十円や六十円は使うじゃないの。それを考えたらいくら得だか知れやしないのに」
「だって、西洋人を女房に持つと、月千円はかかると云うぜ。君のような贅沢な女が百円や百五十円でやって行けると思うのかい」
「ええ、行ける、きっとあたしならやって行ける。会社へ出たら自分で百円は稼げるんだから、そうしたら二百五十円になるじゃないの。まあ、見てて御覧よ、立派にやってって見せるから。