Japanische Klassiker mit Furigana
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たでくうむし
蓼喰う虫
谷崎 潤一郎
Lesen Sie 蓼喰う虫 (たでくうむし) von 谷崎 潤一郎 (たにざきじゅんいちろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 110.066 Zeichen · 216 Bildschirme
第一親の身として其許に対しても御詑びの申様も無之、深く耻入申候。
既に御申越の如き事態に差迫り候ては、今更兎角の執成しは御聴入れも可無之、重々御立腹の段察入候え共、聊か存じ寄りの儀も有之、近日美佐子同道御入来被下間敷候哉、然る上は拙老より篤と本人へ申聴かせ何卒して料簡を入替えさせ度、万一改俊不致候わば如何様にも成敗可仕、もし又本人に於て向後を屹度相慎しみ候節は、幾重にも御勘弁願上候。
実は執心の人形ようよう手に入り申、帰来早速御案内申上度と存じながら肩の凝りを休め居候折柄、御状に接し茫然自失、とんと興ざめ申候。折角巡礼の御利益も無之、却て仏罰を蒙り候ことかと老人の愚痴のみ出で候。
尚々明日にも御入洛待上候。先それ迄は現状を維持被成候様、此儀くれぐれも御願申上候。
「………『斯かる憂きことを耳にいたし候は何の因果かと悲歎やる方なく』か、困ったなどうも、………」
「何と云っておやりになったの?」
「出来るだけ簡略には書いたんだけれど、重要な点は洩らさなかった積りだ。この事は僕にも責任があり、僕自身の希望でもある、つまり五分々々だと云う点によくよく念を押したんだが、………」